若手のチェンバー・オーケストラが誕生して2年になる。Anima Musicae(アニマ・ムジツェ)という名前で音楽の魂という意味がある。昨年夏にウィーンの楽友協会で開かれた国際コンクールで優勝し、この春はハンガリーでのコンサートの他にドイツ・ハンブルグとクヴェートリンブルグでコンサートが予定されている。
14人のメンバーは20代中心でフランツ・リスト室内管弦楽団の音楽監督であるRolla Janosの弟子が多く、その縁もあり私も昨年から一緒に演奏をしている。指揮者は置かず、代表のG.Horvath Laszloを中心に自分たちで音楽を舞台上で作り上げていく。
パート内でリハーサルをしたり、室内楽を演奏したり、ほとんど毎日顔を合わせているのではないかと思うほどだが、このチェンバー・オーケストラの面白い点は、本当に良いものを吸収したいという情熱に素直で柔軟であるということだ。自分たちが尊敬する音楽家たちに直にオファーし、指導を仰いだり、一緒に演奏したり、作品を書いてもらったりして成長している。
このグループに関わることになり、ここに書ききれないが素晴らしい音楽家たちに接する機会に恵まれ私のハンガリーでの音楽世界が広がった。これまでコンサートで演奏を聴いて興味を持っていた音楽家と音楽を共有し、話をしてその哲学に触れられることは私にとって大きなプラスになっているように思う。
同じく学生時代に現在のリスト室内管弦楽団をスタートさせたRollaをはじめ、皆あたたく献身的に我々の若いチェンバー・オーケストラに知恵を授けてくれる。
5月25日にはオーブダでヴァイオリニスト、Barati Kristofとのコンサートがある。日本で読売交響楽団と共演した直後、今回彼はソリストとしてだけでなく指揮者、コンサートマスターとしての役割も担い、私達とリハーサルをして一緒に演奏することになる。
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