私にとってこのハンガリーの留学は1つのチャレンジでした。
なぜなら私の1番の苦手科目は英語。中学、高校では英語ができないことで有名でした。だから私に一番似つかわしくない言葉が「留学」で、私にとってハンガリーへの留学は、今までの人生で最大の無茶。身の丈に合わない決断だと思っていました。
今でも、日本に一時帰国するたびに友人や恩師にも海外で生活できていることを不思議がられます。
しかし留学生活を始めて今まで何の問題もなく過ごしてきたわけではありません、不安や悩みは絶えませんでした。それでもハンガリーで今まで生活してこられたのは、仲間という存在があったからだと思います。医学部の入学試験の直前、英語が苦手な私に口答試験の練習相手になってくれたドイツ人の友人がいました。その友人は同じ試験を受けるのに、私に数時間もの時間を割いてくれました。日本人の友人には文法を直前に叩き込んでもらいました。大学に無事に入学した後も、多くの友人に支えられて今の自分があると思っています。語学力が十分にあるというレベルではまだまだありませんが、ハンガリーに来た頃よりは格段に成長したと思います。
私はハンガリーに医学を学びに留学していますが、それと共に留学を通して、日本人も含め多くの国々の何事にも変え難い仲間に出会えることができました。一生の付き合いになるだろうと思う友人もいます。本当にこれは人生の財産だと思っています。
何事であっても、何かを成し遂げることは簡単なことではないと思います。無論、個人の努力なしではどんな夢も目標も成し遂げることは難しいでしょう。私の留学生活におけるそれは医者になることです。もしかしたら本当に強い人は、1人でその困難を乗り越えられるのかもしれません。でも私は決して強い人間ではありません。だから私にとって仲間は大切な存在だし、この留学生活を通してもその偉大さに改めて気づかされました。これからの医者への道も国家試験など決して甘いものではないと思いますが、仲間に甘えきることなく大切にして、互いに切磋琢磨し夢の実現に向けて頑張りたいと思います。
そして、これから同じ道を志す人にも、日本から離れた国での生活や勉強など、いろいろな不安があると思います。先日も今年の入試に見事に合格した後輩の1人が、これからの大学生活と勉強に不安を抱えていました。今度は私が仲間に支えてもらったように、後輩に先輩としてではなく、同じ仲間として私にできることがあったら力になってあげたいと思います。私はこのハンガリーの留学生活で医学と人生を学んでいると思います。
最後に私事ですが、常日頃からお世話になっている方々には、この場を借りて改めてお礼申し上げます。これからも初志貫徹の気持ちを忘れずに、これからも夢に向かって邁進して参りたいと思いますので、これからもご教授の程よろしくお願い申し上げます。 |
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