『ドナウの四季』が発行されることになった。多くの活字媒体が電子媒体に移行したり、廃刊にされたりする今日この頃、活字媒体で育った筆者には嬉しい話だ。長く継続されるよう祈る次第だ。
 現在の住まいはブダペストに隣接するチョメルという町。ブダペストを一望できる小高い場所にあり、庭の果樹園が気にいって購入した。
 
 これから夏を迎えると種々な果物=リンゴ、チェレスニエ、メッジ、モモ、洋ナシ、ブドウ、胡桃=が食卓をにぎわすが、現在は来るべき収穫期に備えて休養中。果物の収穫の様子やそれを使ったジャムつくり、ワインつくりは本誌で随時紹介してゆきたい。
チョメルの人口は8000人、行政上は市。グドウル丘陵地の西北部に位置しており、ブダペストに隣接しているとは思えないほど豊かな自然が広がっている。

 ブダペスト・英雄広場からM0を20Km、車で30分の距離である。公共の交通機関なら地下鉄2号線(M2)オロシュ・ヴェゼール・テールから郊外バスまたはヘーブで30分の道のり。シシーが愛したグドウルの宮殿やF1レースの行われるフンガロリアは4〜6Kmの距離である。
 
 この町の唯一のレストラン・ゾルドファ=緑の樹=は知られざる穴場。炭焼きステーキが人気のメニュー。熱く熱した石の上で牛肉、豚肉、鶏肉、七面鳥、フォアグラを好みの焼き方で焼いて特性のソースで食べるもの。一人前2500フォリント程度。ブダペスト市内の半分か三分の一程度の値段。一度試してみる価値はある。