私は、2004年9月からリスト音楽院でクラリネットを勉強しています。音楽を学ぶ場としてハンガリーを選んだのは、音楽の分野において大変高い名声を誇っている事はもちろん、日本の大学で師事していたハンガリー出身のベルケッシュ教授の影響が大きくありました。彼に師事するまでは、音楽と文化との関連を真剣に考える事がありませんでしたが、教授の元で研鑽を積むにつれて音楽の楽しさや深さを知り、ハンガリーの文化にも興味をもつようになりました。
リスト音楽院では、現在最も尊敬しているコヴァーチ教授の元で研鑽を積み、刺激的で充実した日々を送っている事を大変嬉しく光栄に思います。また、毎回プロの指揮者を招いて取り組むオーケストラや様々な国の学生と共に学ぶ室内楽などは、演奏を通して交流する事で向上し合い、技術や音楽性の勉強だけでなく、普段から音楽を作り上げていける事ができるので大変勉強になりますし、感性を豊かにし人間的にも成長を遂げる事が出来ると感じています。毎晩行われる音楽院内ホールでの各コンサートでも、演奏者と同じ空気と緊張感を身近に感じながら音楽を共感できるので、とても良い刺激を受けます。
一方で音楽関係以外でも交流の場として日本文化交流会に日本の音楽・言語・文化に興味を持つハンガリー人達と共に参加するようになりました。その中でも特に印象的だったのが「書道」で、書道とは「魂」で書くものである、と精魂込めて書く先生の姿に大変感動しました。この事をきっかけに日本の良さを改めて実感し、日本人としての誇りを持って演奏することができるようになりました。
現在のすべての環境が私の音楽的な知見を大きく広げ、強い個性を持った音楽家に成長する機会を得られると確信していますし、それに向かって励んでいこうと思います。 |
|
|