学習発表会は、日本と同様に、毎年年度末に行われる補習校の大切なイベントです。 土曜日の午前中という本来なら、ゆっくり休みたい時間を日本語学習に励んできた子供たちと、多大なるサポートで親身になって取り組んできて下さった諸先生方の総まとめを発表する機会でもあります。保護者の私たちにとっても、それぞれの子供たちが日本語に対して、そして日本語から広がっていった日本というそのものを、今現在どのように感じているのかということを知ることができる良いチャンスです。
学習発表小学1年生
学習発表中学2年生
今年度の発表では、低学年は「数字や曜日」の暗唱、音読劇「お手紙」、「富士山」、「ことわざ」について調べたり感じたりしたことを発表。高学年は、歴史上の人物がテーマになり、「伝記」、「宮沢賢治」、「太宰治」といった作品を感想文や寸劇、群読で私たちを魅了させてくれました。 リハーサルも貴重な時間、各先生方が動画をとり写真を撮ったりしながら最終チェック。緊張と不安の残る生徒たちを少しでも万全な体制でステージに立たせようという意思が強く伝わってきます。週に1度4時間程度の授業という限られた時間の中で、補習校で用意できる最小限の道具や材料を使って、それぞれの学年が工夫を凝らして観客を魅了してくれました。 基本的には準備するものは、画用紙に絵や文字を書いたり、お面を作ったり、お習字をしたりと殆どの工程が手作り。音楽を簡単に流せるような設備もないので、そのような環境の中、年間の学習の成果をただ披露するだけでなく、どのように大きく魅せていかねばならないのかという事を考えて実行していく各先生のアイディアには脱帽しました。また、それを受けて生徒たちが素晴らしいステージを披露するという一連の流れはとても大切なプロセスになっていると思います。 普段はハンガリー語や英語といった言語で生活する子供たちにとって、当地で日本語を重視して学ぶことはかんたんではありません。日本語を第1母語あるいは第2母語とするように子供たちには頑張ってもらいたい、そのために保護者もサポートを惜しまないことを改めて感じさせられた一日でした。
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