2019年 11月 15日は私の小さな記念日でした。
 この度ご縁あってハンガリー・リスト記念館ホールにて韓洪日3カ国の国際交流演奏会を開催致しました。この記念すべき日をチーフディレクター韓国代表イ・サンチョル氏に代わり、アシスタントディレクター日本代表菊地玲子が代筆させて頂きます。
 振り返りますと私達には長いストーリーがありますが、そもそもの出合いは 2017年の事でした。姉妹都市である札幌市と韓国大田広域市が初めて札幌にて国際交流演奏会を行ったのが始まりでした。お互いに手探りの中始まった国際交流事業でありましたが、数日ながら"音楽"という共通の言葉で言語以上に会話した様な時間であった様に思います。
嬉しい事にその後も交流は途切れる事なく続き、友情は深まり 2018年にはソリストとして大田音楽祭へ招かれ私自身が大田広域市へ初めて訪れる事となりました。彼らと音楽をし、彼らの街を歩き、彼らと同じ食事を食べ、彼らの美しい言語を聞きまねする日々に彼らの心に触れ一歩また一歩と彼らとの距離が近づいていった気がします。
 
 
 そんなある時、大田広域市とブダペストが姉妹都市であるという事を知り驚きと共に大変幸せな瞬間に巡り合いました。偶然か必然かはわかりませんが、 2015年にハンガリーを離れ日本で過ごす日々の中であっても私の中で決して薄れる事のなかったハンガリーが、こうしてまた私のもとへ巡ってきてくれた事に感謝と大きな喜びを感じ、遂に 2019年ハンガリーにて国際交流演奏会を開催する事に至ったわけなのです。
 特に今年はブダペスト&大田広域市姉妹都市 25周年記念、ハンガリー&韓国外交開設関係 30周年記念、そしてハンガリー&日本外交開設開設 150周年の記念年が重なり合ったこの縁に何か運命を感じてしまうものでした。
 しかしながら開催までの日々、様々な出来事がありました。それぞれの考え、価値観やスピード感は多種多様で、2カ国に挟まれながらをする日々はまるでジェットコースターに乗っている様でした。更には言葉の壁ももちろんありましたし、最後には残念な事に予期せぬ日韓外交問題もありました。
 芸術が政治に左右される事はないと、音楽がどんな事も解決すると信じていましたが、残念ながら全てがそうではなかったというのもまた事実でありました。
 
 

 しかしその上でディレクターとして辿り着いた先にあったものは、このプロジェクトが共に創り上げるディレクターであり友である仲間への信頼と、まだ見ぬ未来への希望に私自身が大きく支えられていたという事でした。
 日本人同士でさえ全てを理解するのは難しい事を、国の違う私達がそれぞれの価値観でひとつの事を成し遂げようとするのは大変な作業であると思います。しかし異なる事はさほど問題ではなく、私達に大切な事は異なるその『先』に、お互いを理解してみたい、理解してみようとする試みではないかと思うのです。
 その想いを胸に私達は最後まで諦める事なく進む事にしました。
 11月に入り3カ国の初顔合わせの後、怒涛の短期集中リハーサルがスタートしました。短い時間の中、異なる世代の異なる音楽家達が様々に変化していく光景を沢山目にしました。
 初日にお辞儀をしていた私達がハグをして、無口だった私達がお互いの言葉を話したり、お互いに意見を披露したり、未来の再会を約束したりーーそんな光景を目にする度、ディレクターとしてこの国際交流の価値を改めて確信したものでした。演奏会当日にはお昼すぎから行われていた最終リハーサルからこぼれる音色に誘われ、どこからからかまた一人また一人ホールへ耳を傾けに来て下さり、演奏会は聴ける?これはアジアの曲かい?などと沢山の方々に声をかけて頂きました。
 本番では第一部にはブダペスト&大田姉妹都市記念、第二部には3カ国交流記念プログラムを披露致しました。
 韓国の伝統的な韓服を着用したイ代表がハンガリー語の通訳を介し、美しい韓国語で感謝の言葉を述べコンサートは幕開けしました。プログラムには、韓国伝統楽器であるピリという笛のパフォーマンスも行なわれ、韓国の伝統曲を魅力溢れる音色で披露致しました。観客の皆さまが前のめりになって聴き入って下さった光景を大変に嬉しく思います。きっとリストも目をまん丸にして聴いていたに違いありません!
 更にはハンガリー、日本の若い才能ある演奏家たちによる瑞々しいパフォーマンス、また最後にはハンガリー国立オーケストラより Moln.r Zsuzsannaさんと Kk.nyessy Zolt.nさんの友情賛助出演により全ての演奏家達がインスパイアされ、圧巻のパフォーマンスにより沢山の拍手を頂いた最後でした。
 個人的な事になりますが、私のハンガリーの友が私の韓国の友になり、私の韓国の友が私のハンガリーの友になり、私の日本の友が私の韓国の友になり、私のハンガリーの友が私の日本の友になり、友たちが最後に皆ひとつに手を繋いでくれた事に大変幸せなディレクターであったと思います。

 
 
 このプロジェクト成功裏には沢山の方々の想いと大きな助けがありました。
親愛なるリスト音楽院学長 Vigh Andrea氏、ワイナーレオカトリック音楽専門高等学校校長 M.sz.ros L.szln. Ica氏及びワイナー学校全ての親愛なる元同僚たち、チェロ指導をして下さいました Kardosn. Kem.ny Krisztina氏、サポート下さいました Propart Hungary Bt.代表桑名一恵氏、韓国代表イ・サンチョル代表及び韓国大田広域市国際交流センター長イ・ミスク代表、チュ・ギョウォン氏、そして心を寄せて下さいました全ての方々に厚く御礼申し上げます。辿り着きましたこのゴールが、また新たな始まりとしてすでに繋がり結びついていると信じています。
 最後になりましたがイ・サンチョル代表のメッセージにて感謝の挨拶とさせて頂きます。
음악은 세계 공통 언어라고 생각합니다. 대전 & 부다페스트 자매도시 결연 25 주년을 맞이하여 음악으로 화합의 장을 만들었습니다. 앞으로 더 많은 교류가 계속되기를 희망합니다. 그리고 앞으로 우리 모두가 음악으로 소통하면서 더 가까운 친구가 될 것이라고 기대해봅니다. 다음을 기약하며...
2019.11.26
에듀스아트 대표 이상철
 音楽は世界共通言語だと思います。大田 &ブダペスト姉妹都市締結 25周年を迎えて音楽で友好の場を作りました。これからもっと多くの交流が続くことを希望いたします。そして私たち共が音楽で疎通しながら、より親しい友達になれることを期待しております。次回を期して ...
 
2019.11.26
エデュースアート代表 イ・サンチョル
Köszönöm szépen,감사합니다,ありがとう。