ブダペストに留学してからもう半年が経ちました。春が来るのが待ち遠しい半面、帰国の時がじわじわと近づいてきたのだと感じ、少し寂しくもあります。 大学で学んできたハンガリー語やハンガリーという国を実際に見てみたい、生活のツールとして使ってみたいと思いブダペストに来ました。私の大学では普通3年次の秋から留学するのが主流ですが、その頃私は部活動にのめり込んでいたため、4年次の秋から留学しようと決めました。留学が1年遅れただけでなく卒業も大幅に遅れそうな勢いなので(お父さんお母さんごめんなさい)、ハンガリーに行くからにはめいっぱい勉強して、めいっぱいハンガリーを楽しむということも同時に決意しました。
私が勉強しているバラシ・インスティチュートではたくさんの留学生たちがハンガリー語を学んでいます。その中に混じって私も日々奮闘しています。日本の大学では主に語学の授業が多かったので、こちらでも語学の授業ではあまりつまずくことはなかったと思います。しかし午後のハンガリー学の授業になると一変、先生が何言っているのかわからない、専門用語が全く見当もつかないという感じでした。ハンガリー学の授業では、文学や歴史、地理、政治社会、言語学、文化など科目は多岐にわたります。中には演劇を見に行く授業や美術館に行く授業もあり、座学だけでなくとても刺激的な授業がたくさんあります。そういった授業を全てハンガリー語で受けるわけですから、慣れるまではとても苦労しました。周りのクラスメイトたちが涼しい顔で授業を受けている陰でひっそり予習・復習して授業に臨む、でも打ちのめされる、のくり返しでした。そんな私でも半年間で少しは成長できたかな、と思える瞬間もあります。今ちょうど歴史の中間テストが終わり、この原稿を書いているところですが、始めの頃より理解できるようになったかも・・・?と実感しています。
学校には生徒たちは留学生しかいないため、ハンガリー人と知り合える機会はなかなかありません。しかし日本語を勉強しているたくさんのハンガリー人と出会って、お互いの言葉を教えあったり、一緒に出かけたり、料理を作ったり、パーティーをしたり、放課後や休日も充実しています。これしよう!あそこへ行こう!などたくさん誘ってもらって、予定がぱんぱんというとても嬉しい悩みもあります。 ハンガリーの友人たちと触れ合ってとてもいいなぁと感じることは、おもてなし精神がすごい!ということです。ハンガリー人はみんな自分の国や文化に誇りを持っていて、それを私たち日本人に嬉しそうに紹介してくれます。私にとって今回が初のハンガリー滞在なので、見るもの、食べるものすべてが新しく、発見と感動の毎日です。そういった新しいものに出会った時、いつもハンガリー人の友人は熱心に説明してくれたり、食べものはたっくさんごちそうしてくれたりします!!!これも嬉しい悩みですが、ハンガリーの美味しい食べものに囲まれて、半年でだいぶ太ってしまいました。また、ハンガリーの人の温かさもたくさん触れてきました。ハンガリー人の輪にぽつんとひとり話も理解できず、勝手に孤独を感じて寂しかったこともありました。そんなときも、彼らは私がハンガリー人じゃないとかそんなことは全く気にしておらず、ひとりの友人として向き合ってくれて、いつも私を迎え入れてくれました。私も彼らの気持ちにこたえるために、自分のできるハンガリー語で話をしようと努力してきました。最初の頃はハンガリー人ばかりの中で過ごすときはたとえ遊んでいるときでも緊張しましたが、今では本当に居心地がよく、いい友人たちと出会えてよかったです。 ハンガリーのことを日本の友人に聞かれるととても嬉しくなります。聞かれていないことまでぺらぺらと喜んで残り話ができます。そういうときに、ああ私は本当にハンガリーが好きなんだなぁと感じます。また、この半年間一度も日本に帰りたいと思ったことはありませんでした。ホームシックを感じる余裕すらないくらい重質していましたし、いつも私のことを気にかけてくれる、たくさんの友人とも出会いました。本当に恵まれているなぁと今改めて思います。ハンガリーで出会ったすべての人と日本からいつも応援してくれている家族や友人に感謝しながら、残りの留学生活でもたくさんのことを吸収し、もっとハンガリーの魅力を伝えられるようになりたいと思います。
|