今回の運動会は、雨でした。日本人学校になってから十周年で初めての雨でした。体育館で行う運動会はとても不思議な感覚がしました。徒競走など、できない競技がでてきて悲しそうな顔をしている小学生、中学生が何人かいました。せっかくの運動会なのにと、私も少し残念な気持ちになりました。しかし、競技がすすむにつれて、みんなの表情が明るくなっていくのを感じました。とても楽しそうで運動会の練習をしたかいがあったなと思いました。今年の運動会は昨年の運動会より一週間ほど早かったため毎日、組体操や全体練習(学校全体で行う練習、入退場の並び方や綱引きなどの練習)、応援合戦の練習をしました。
 全体練習は先生方が授業をすすめてくださいました。全体練習では、中学生は小学生が整列する時に手助けをしました。並ばせていくうちに、小学生のみんなは自分達で素早く並ぶことができるようになりました。中学生の仕事が少なくなって、私たち中学生が小学生の成長に役立って良かったなと思いました。組体操は高学年(5年生以上)だったので、自分の演技をより良くすることに集中することができました。しかし、応援合戦は全体練習や組体操のようにはいきません。一学期の終わり頃から、私たち中学生が低学年もできるような振り付け、覚えやすい動きを考えました。
 そこから、みんなにわかりやすい説明を考えたり、実際に教えたりしました。低学年は、褒めることによってやる気を出してくれるので、どういうふうに褒めればやる気を出してくれるのかも考えました。私は、わかりやすく教えることや褒めることがとても苦手なので、とても苦労しました。
 はじめのうちは、小学生のみんなも、中学生のみんなも、なかなか言うことをきいてくれませんでした。小学生には、怒らずに耐えることができましたが、中学生のみんながやることをやってこなかった時があったので、その時に何回か怒りました。叱ることに慣れてないなかで、怒らなければならなかったのでとても疲れました。親が私を叱るときの苦労がわかった気がします。朝から怒ると怒る人も怒られる人も一日が始まるときから嫌な気分になります。
 私も実際そうでした。朝から叱ることを考えるだけでため息がでました。中学生には怒ってばかりでした。褒めることもしてあげればよかったと今では思います。運動会で得た、リーダーとしてみんなをまとめる力や反省したことをこれからは活かしていきたいです。

(やまぎし・はるひ)