7月21日(日曜日)のその日は来ました。総勢17名で乗り込んだオーストリア。事前に都合で2名減ってしまいましたが参加四カ国中で最大規模。ハンガリーチームの意気込みが現れていました。幹事の方々からも流石ハンガリーチーム本気ですねと言われる程でした。「はいそうです。120%本気で勝ちに行くんです」とは口には出しませんでしたが心の中でつぶやいていました。
 今年は柿崎部長の号令の下、本気で勝つための準備をしてきました。貸し切りバスを廃止し、「大人の遠足」(「ドナウの四季」2013夏季号)ではないことを参加メンバー全員に知らしめました。本選で戸惑わないように、いつも練習しているパンノニアコースだけでなく、本コースでも事前練習を行いました。さらにメンバー選考会と称して週末に行った練習会のスコアを毎回集計しました。これにより個人のレベルをメンバー内で共有し、危機感を煽り、各人が自発的にレベルアップ図り、友達を失ってでも80台を出して行くような環境づくりを行いました。また、今年はD社からの強力助っ人も事前の作戦通りきちんと確保しました。もちろん私自身も本気で勝ちに行く気持ちはできていました。今まで貢献できずにいましたから。
 初年度は何も分からず参加し、大人の遠足の流れにまかれてしまい飲むほうに忙しく結果を出せずに終わりました。昨年度は、名誉挽回とシーズン開始当初から意気込み、早めに練習をスタートして順調なゴルフシーズンのスタート。しかしながら自らの不注意で目の怪我をしてしまい、参戦するのがやっとになってしまいました。チームも準優勝で悔しさが倍増でした。前年までの体たらくで、「畑山さんは個人では活躍するがチームに貢献しない」、「あの人は全然本番に活躍しない」という痛いお言葉もいただき、今年こそはと雪辱に本当に燃えていました。
 例年弾けてしまう決起集会という名の飲み会も、持ち込みのアルコールなどが無かったせいなのか粛々と執り行われました。会では部長からの指示通り、本コースのビデオ上映会なども行い、本気モードの決起集会となりメンバーの士気は高まっていました。そしてその日はとうとう来てしまいました。

 気持ちの良い天気の下、私は1番ホールスタート。ティーショットはナイスショット。良し今日はいけるとの手ごたえ。何だかんだダブルボギーになってしまったものの、ショットの感じは良いので焦りはまったくありません。前半の9ホールは若干悪いが想定の範囲内で収まり、さあ後半の9ホールへきっちり仕上げるぞ、とメンバー全員で誓った掟通り休憩時のビールは控え、10番ホールスタート!
 「あれっ、あれっ、あれっ」、何故かティーショットが吸い込まれるようにO.B.へ飛んでいく。「後半の方が易しかったはずなのにどうして?」とつぶやいた時には大叩きが決まっていました。準備万端のはずが3年目で一番悪いスコアになってしまいました。うなだれる私に追い討ちをかけるメンバーの言葉「えっーまた駄目だったの?」、「なんだかねー駄目だったのですよねー。あっはっはっ」と開き直るくらいしか出来できない私。内心ゴルフ止めようかと思うくらいの落ち込みです。
 でもまだまだチームが負けたわけじゃないとなんとか正気を取り戻して各自のスコアを確認。試合後都合がつかず先に帰ってしまったメンバー等もおり、錯綜する情報の中で、結構良い線行っていそうな事が分かってきました。「よし!もしなんとか優勝できたら、あまり責められないぞ」と、他力本願モードに切り替える私。そして運命の結果発表の時がきました。
 上位8名のスコアが各国の1位から順に出されていきます。やはり思ったとおり大接戦でした。「もしかして行ける?」と皆も思い出したところで出ました最終結果、なんと4打差で(ハンガリー542打対チェコ538打)でチェコが優勝。「4打差って、、、」。非情な結果にメンバーも結果論にしかならないと分かっていながらつぶやきを止めることができません。あそこで俺がO.B打たなければ、急遽欠場になったK氏やT氏が来ていれば、等等。私も後半の9ホールのドライバーショットを悔やんでも悔やみきれません。他力本願が崩れ完全に戦犯確定です。個人的には名誉挽回に大失敗、チームとしても優勝を逃し、私にはまた大変苦い夏になりましたが、前向きに考えれば、前年あった18打の差を今年は4打まで縮めたので、今年行った強化プログラムは間違っていなかったと言えます。そして来年度に予定されている、ハンガリーでの自国開催に向けて、今年培った強化プログラムを踏襲し、着実に各個人のレベルアップを図っていけば「来年は絶対」と自信を持って臨める大会になるでしょう。
 個人的にはイギリス・メキシコ・ハンガリーとゴルフ生活を続けていますが、ハンガリーでの日本人ゴルフ部の月例会や大吉杯マッチプレー等、イベント的にも、メンバー的にもゴルフに対する向上心を刺激する環境が大変素晴しいと感じています。四カ国対抗戦が盛り上がる理由の一つだと思います。
 皆様のご声援ありがとうございました。来年も是非応援をよろしくお願いします。

(はたやま・けんご ソニー)