みどりの丘日本語補習校は2005年4月に開校して以来今年で4年目を迎え、試行錯誤を繰り返しながらも多くの皆様方にご協力いただき、この地で一貫して国語教育を推し進めてまいりました。2008年春には文部科学省から正式に補習授業校にも認定され、そういったことを励みに、ヴォランティアの運営委員、教師、児童・生徒が一丸となって作り上げてきた学校と言えるのではないでしょうか。

 しかし開校当初は全く予期しなかったような出来事や、子供達の日本語能力の違いからくる授業の難しさ、異動、帰国、転校他による児童数の減少、等々難しい運営を余儀なくされたこともありました。児童・生徒数の減少はそのまま運営していく上での「財政難」という大きな問題につながります。が、単純に学校を運営する上での必要経費を児童・生徒の頭数で割っていたら、授業料は児童・生徒の増減によって大幅に変動することになります。私たちはこれを避けるため常に一定の、可能な限り低い金額の授業料を設定し、そのための努力を惜しまずにやってきました。昨年秋に初めて試みた「補習校のオリジナルクリスマスカード」は、多くの皆様にご購入いただき、その収益金は大いに運営を助けてくれました。この春にはフリーマーケットを企画しましたが、これにも多くの皆様が出店してくださったりご来店くださったりで、その収益金も大いに役立たせていただいています。本当に補習校関係者一同心から感謝致しております。

 補習校行事としては春から初夏にかけて授業参観を行なったり漢字検定受験を奨励したり、その後夏休みを挟んで9月には日本人学校と日本人会主催の運動会に参加させていただき、12月には学習発表会を行い、1月にはかるたとり大会、2月にはまた漢字検定受験、授業参観、3月には宿泊研修・・・というような流れで年間行事を組み込んでいます。
 
 ハンガリーの学校の夏休みが6月中旬から始まるのを良いことに、この夏補習校から4人の児童が日本で体験入学してまいりました。我が家の2人の子供は、3週間半実家近くの小学校に通い、6年生の娘はいつも友だち数人と楽しく遊んだり、プリクラに行ったり、そうする中で「生きた小学6年生の会話」を身に付けました。4年生の息子は勉強だけでなく、夏休みになるとすぐコミュニティーセンターの囲碁クラブに通い、おじいちゃん先生方に可愛がられながら囲碁の腕を磨きました。私の内職の手伝いもよくしてくれました。体験入学の時のことはまたの機会に詳しくお伝えしたいほど、有意義と言えることが数多くありました。他の体験入学をされたお子さんも、「良かった。また是非体験入学したい。」と言われています。
 一方ハンガリーでも、この夏2年生の児童が日本人学校で聴講させていただき、このような貴重な機会を与えてくださった日本人学校の校長先生はじめ先生方に、心から感謝しております。
 
 さて日頃の児童・生徒の様子ですが、みんなとても楽しく元気に学校に通っています。どの子も平日はハンガリーの学校やブリティッシュ・スクール等に通っていて、更には習い事もあったりでそれだけでも大変なのに、土曜日は元気に補習校に通っています。「宿題は嫌いだけど補習校は大好き!先生も友だちもみんな大好き!」というのは、我が家の娘の口癖と化した決まり文句です。補習校に通う子供達は、どの子も学校が好きなように見受けられます。そんな子供達が日本人学校の「ドナウ祭」の素晴らしさに感動し、自分達補習校も是非頑張ろう!と行なったのが先頃の学習発表会です。みんな限られた時間の中で先生方の指導の下、よく練習し、準備し、とても良い発表会に仕上げてくれました。こうした子供達の頑張っている姿をより多くの方々に見ていただき、皆様に補習校をご理解いただけることを、切に願ってやみません。
 
 2009年4月、補習校は新1年生を迎えます。今後とも地域に根差した学校となれますよう、一同頑張り続ける所存です。皆様の温かいご声援に感謝しながら・・・