エルテ大学(Eötvös Loránd Tudományegyetem)では2017年秋学期に「てらこやクラブ」が結成されました。
 「てらこや」というのは何でしょうか。日本人の方はきっとご存知だと思います。寺子屋は江戸時代に京都や大阪で読み書きや計算を教えていた学校のようなものです。私たちは少し非日常的なクラブの立ち上げを考え、「てらこやクラブ」を作りました。江戸時代の寺子屋のように、このエルテ大学の会話クラブが日本語を練習しながら様々なことを学べる場所です。  日本語の会話の練習ではバラッシ学院( Balassi Intézet)やエルテ大学をはじめ、様々な大学で勉強中の日本人留学生のみなさんに協力いただき、日本学科の学生たちが日本語の会話能力を伸ばそうとがんばっています。発表も行われています。毎週異なる内容で、日本人でもよく知らない日本に関する事や、ハンガリー人でもよく知らないハンガリーに関する事が取り上げられています。
 例を上げるなら、読者のみなさんは「三黙堂」ということについて聞いたことがあるでしょうか。あるいは、江戸時代の日本人は藍染の浴衣をなぜ夜に着ていたかご存知ですか。精進料理は大きく分けて二つの食材を避けるべきだといわれていますが、その食材とは何でしょうか。また、ハンガリーのLuca nap(ルツァの日)の習慣はご存知ですか。12月13日にもしかして仕事しましたか?それは大きな問題かもしれません。クリスマスに机の上に蜂蜜、にんにくやりんごがおいてあるのをご覧になったことがあるでしょうか。それらはどうしておいてあるのでしょうか。
 これらはすべて、日本とハンガリーの習慣について学ぶことを目的の一つにしている「てらこやクラブ」で話し合われたトピックです。大阪大学ハンガリー語科で映画の字幕作りが行われたというのを参考にして、私たちも日本のアニメの字幕を作っています。この翻訳活動はハンガリー人にとっても日本人にとってもお互いの言語の勉強になります。
 このように、「てらこやクラブ」では言語や文化の知識を身に付けることもできますが、それより何より、メンバーたちは素晴らしい人間関係を築くことができました。
 私がこの記事を書いている今は12月ですが、クリスマス休暇と試験期間を経て、大学は2月から新学期に入ります。「てらこやクラブ」は来学期も続ける予定です。ハンガリーや日本に関する、本では調べにくいことについても話を聞くことができると思いますので、興味がある方はぜひお越しください。
 ご参加お待ちしております! フェイスブックページもあります。
「Terakoya Club/てらこやクラブ」https://www.facebook.com/groups/1512865082141082/
(キラーイ・エディット)