「ゴオォォゥ」。飛行機がハンガリーへ、僕と家族を乗せて飛んでいきます。そして、そろそろハンガリーへ着くころに僕と弟が言いました。「あっ、ハンガリーだ」。僕たち家族がハンガリーに着いたのは、2年前の8月4日の夜。それからハンガリー生活が始まりました。
 僕が最初に気付いたことは、人の優しさです。例えば、電車に乗る時、道が分からなくて困っていました。ハンガリー人が英語で助けてくれたおかげで、家族みんなが安心することが出来ました。それから、僕たちはこの国のことをもっと理解したいと考え、ハンガリー語を勉強することにしました。ハンガリー語の辞書を読んだり、ハンガリーのガイドブックを読んだりして、理解に努めました。
 そうして、ハンガリー語を勉強していくうちに、また新たなことに気付きました。それはあいさつです。例えば、僕たちが歩いていると、通りがかりの人が「ヨーナポート」と言ってくれます。それに、公共交通機関でもみんな「ヨーナポート」、「ヨーナポート」と言ってくれます。日本では周りの人にあいさつをする人をあまり見かけませんが、ハンガリーでは多くの人がだれにでもあいさつをします。これは、ハンガリーの素晴らしいところだと思います。
 ハンガリーにいて気づいたことはほかにもあります。それはみんなが仲良く過ごしているということです。例えば、日本では最近、いじめやけんかなどの悲しいニュースがあります。しかし、僕がハンガリーの学校を見ているこの3年間、子どもたちがいじめやけんかをしているところを一度も見たことがありません。これはとてもすごいことだと思います。
 ハンガリーに住んでいると、日本の良さも感じることができます。それは、ていねいさです。例えば、サランラップなどの製品を比べてみると、日本のほうがこわれにくく、使いやすいと感じました。また、料理に関しても、日本の和食は季節の食材を取り入れたり、いろどりよく盛り付けたりしてあります。最近、和食がユネスコの無形文化遺産に登録されました。これも日本の調理法や盛りつけのていねいさが世界に認められた証だと思います。だから、日本のものづくりの技術はとてもすごく、世界にほこれるものだと思いました。
 ハンガリーと日本は、どちらの国もそれぞれのいいところがあります。だから、おたがいの国をもっとよく知ることができれば、おたがいの良さを学び合い、さらに良い国になっていくと思います。僕もハンガリーにもう少し住んで、ハンガリーと日本のことをもっともっと理解したいです。そうして、僕がハンガリーと日本の架け橋になれるように、これからも勉強、運動にはげんでいきたいと思います。

(みとり・ゆうき)