私たち家族がハンガリー・ブダペストへ来て10ケ月が経ちました、ハンガリーへ来る前はイギリス・ロンドンで2年過ごし海外生活も早3年になろうとしています。
 私たちが渡英したとき長女は幼稚園年長の一学期を終えた夏の6歳、次女は歩き始めてすぐの1歳半でした。渡英するにあたって長女の学校選びは「イギリスで英語が学べる良い機会」という親の思い優先で英語のアルファベットも知らない娘は現地のInfantschoolに通う事になりました。
 登校初日・二日目は訳も分からず通い、三日目には英語が分からない不安からか「教室を飛び出し泣いているので迎えにきてほしい」と学校から連絡があり駆けつけ娘の泣き顔を見たときは身につまされる思いでした。親主導での学校選びだったため、娘の泣いた顔を見たあとしばらくは「娘のためにこれで良かったのか?」と自問自答する日々、しかしそんな心配をよそにそれ以降一度も泣くこともなく、学校で自分なりの楽しみを見つけて何とか頑張っていました。特に学校で出されるスクールランチは娘の口に合ったようで毎日ランチに何を食べたか報告するのが日課のようになりました(デザートが付くというのがポイントだったようです)そんな健気な我が子の姿が今でも目に焼き付いています。

 それから半年が過ぎ、長女も現地校に慣れてきた2010年4月日本なら小学校に入学する時期ロンドン補習授業校へ入学し平日は現地校、土曜日は補習校へ通うという生活が始まりました。長女は日本にいるお友達と同じように日本語の学校に入学したことがとても嬉しそうでした。そして英語に慣れてきたとは言え、まだまだ日本語の方がすんなり出てくる娘にとって補習校は快適でとても伸び伸び楽しく学べる場となったようです。長女が補習校へ入学したのと同時に2歳になった次女は近くのNurseryへ通い始め、子供たちの社会生活がいっきに広がっていきました。
 2年目に入るとイギリスでの生活にも慣れ、子供たちもたくさんお友達が出来、私も現地校・Nursery・補習校の送り迎えや色んな行事に明け暮れる日々を送っていたところ夫からハンガリーへの転勤の話を聞きました。「え??まだイギリスに来て二年も経っていないのに。。。」、「子供たちはまた転校で大丈夫かしら?」、「ハンガリーってどんなところなんだろう?」など色んな考えが浮かんできましたが、「案ずるより産むが易し」。実際ハンガリーに来てみると情緒ある街並み・緑豊かな自然にすっかり魅了されました。
 ハンガリーでは子供たちはイギリスのカリキュラムを取り入れているブリティッシュインターナショナルで長女year4、次女Nurseryへ転入し(この時点では長女が自ら英語の学校へ行きたいと希望しました)土曜日はみどりの丘補習校2年生として通う事になりました。
 インターに転入した長女はイギリス時代とは比べものにならない位の速さでクラスや学校に馴染んでいきました、やはり基本的な英語力が身についていた事またインターでは色んな国籍のクラスメートがいてそれぞれの個性があるのが当たり前、それを自然に受け入れてくれる雰囲気が娘に合っていたように思います。
 Nurseryクラスの次女はちょっと悪戦苦闘気味でした、何回か先生方と話し合う中で指摘された点がありました。ハンガリーで面倒を見てくれる祖父母や親戚はいますか?と。もちろんいません。娘が先生になかなか心を開かず、先生に対してどう振舞っていいのか分からない様子なのはきっと周りに安心して甘えられる大人がいなくて不安なのではないかという事でした。正しくその通り、我が家はイギリス時代からずっと夫が平日はほとんど出張でいない平日母子家庭のような状態なので娘達にとって身近に頼れる大人は私しかいません。しかも次女は1歳半から海外にいたので日本の祖父母や親戚に可愛がってもらった記憶も幼すぎて残っていないようです。そんな娘のために色んな人と触れ合える機会を作ってあげたいなぁと思っていたところ、長女が通い始めたみどりの丘補習校で未就児を対象にした幼児サークルがあると聞き早速参加させてもらうことにしました。
 最初にみどりの丘補習校に通うようになった長女は初日から優しい先生・元気なお友達のおかげですぐに打ち解け、休み時間には皆で一緒におにごっこをして遊んでいましたと先生から報告をいただいた時には本当に安心しました、それから10カ月が経ち色んな行事も経験しました。補習校上げてのバザーは地元の人たちやハンガリー在住の日本人で溢れかえるくらいの大盛況で娘達もお気に入りのものをしっかりゲットしていました、年始のかるた大会、学習発表会、春の遠足などとても楽しい思い出です。
 学習発表会ではナレーター役になった娘、自分から進んで何回も何回もセリフを練習し本番に臨みました。劇が無事終わった時のみなの嬉しそうな顔、最高でした!学習面では3年生になり学ぶ漢字も増え教科書の内容もだんだん高度になってきました、毎週先生から送って頂く授業内容報告のメールでとても丁寧に我が子の様子・課題など教えてもらいとても有難いです。
 次女も月2回の幼児サークルに参加するようになり毎回とても楽しみにしています。相変わらず恥ずかしがり屋で先生から話しかけられても私の後ろに隠れたりしていますが、幼児サークルで絵本を読んでもらったり工作で色んなものを作るのが大好きです。工作で作ったものを家に持って帰って、家族に誇らしげに見せてくれて大切にしています。
 このハンガリーでの素晴らしい出会い・経験全てが子供達の「心の糧」となりこれから歩んでいく人生の支えになってくれる事と思います。
 日本から遠く離れたハンガリーで日本語学習そして日本文化に触れる機会を得られた事、暖かく迎え入れてくれた先生・お友達・保護者の皆さまと出逢えた事全てに感謝しております。

(みやざき・あやか)