2016年9月から1年間の予定でブダペストに滞在し、XII区にありますOrszágos Onkológiai Intézet(英名: National Institute of Oncology、以下Intézet)に受け入れていただいております。主に舌、頬、唇などにできた癌の放射線治療について診療、教育方法、研究を研修しております。こちらに滞在し半年程経過いたしました。これまでを振り返らせていただきます。
研修内容
癌治療で放射線治療を選択する患者さんは日本と比較し欧米では倍以上いらっしゃいます。Intézetでは、自分の専門であります舌、頬、唇などにできた癌の放射線治療が活発になされております。これらは手術でも治療されますが、見た目や機能が大きく損なわれることがあります。そのため、放射線治療の果たす役割は非常に大きいと考えられます。研修内容は、診療、教育方法および研究です。
診療では、診察や手術の見学および介助をさせていただいております。Intézetの先生方は、英語、独語を話されます。自分に対しては英語を使っていただけるので大変助かっております。しかし、患者さんにはハンガリー語で会話されます。患者さんの中には英語を話されるか方もいらっしゃいますが、体の不調などの細かいニュアンスなどは、英語ではやはり伝えにくいと思われます。また、ハンガリー語のほうが気持ちが落ち着くと思われます。自分もハンガリー語の習得に努めてはいますが、難しいと感じております。日本にいる間にある程度は習得しておくべきであったと反省しております。
IntézetはSemmelweis UniversityのDepartment of Oncologyも兼ねています。そのため学生さんの教育および実習が行われており、その見学をさせていただいております。その際、先生方の学生さんへの接し方や講義方法などを身に付けたいと考えております。
Intézetの先生方は、非常に多忙な診療および学生教育に加え、その成果をactiveに研究・発表されております。その先生方のご指導で自分も研究の一部に関わらせていただいております。その成果を2017年5月に行われます、Hungarian Society for Radiation Oncologyで発表させていただきます。また、発表内容をさらに深めまして、論文として公表させていただく予定でございます。