かけがえのない日々―城西大学での留学体験―
Szabó Lívia
日本へ来て、はや6か月。「ハンガリーにいたときと比べて何が変わったか」と聞かれたら、最近は「寝るのも起きるのも遅くなりました」と答えています。日本に来たばかりのときには、「慣れることはできないだろう」と思うような違和感や問題が色々ありました。ゴミの分別や、ゴキブリ、左側通行、終電のあと帰る方法はほぼタク
シーだけ、池袋駅で迷ってしまうことなども最初のストレスの原因でした。しかし、心配していたよりもずっと早く、あっという間に慣れてきて、今ではもう日本の住民だという意識を持って暮らしています。生活にもほとんど問題がないし、どこかに行くのも普通になって、迷わずにどこにでも到着できるようになりました。時々、日本で新しく身につけた癖にも気がつきます。もしかしたら、これを読んでお気づきになった日本人の方々はもう笑っていらっしゃるかもしれません。最近身につけた新しい癖というのは、電車の中での居眠りです。
留学生ですから、もちろん、こういった日常的なこと以外に、日本の大学生活や日本文化も体験しています。私は埼玉県にある城西大学というところで勉強しています。「現代日本の法と政治」、「国際関係と国際経済」、「論理的思考法」などの授業があります。最初はずっと集中して先生の話を聞くのは難しかったですが、専門用語を覚えたあとは、だんだん楽になってきました。しかし、試験期間に入ったときにはびっくりしました。1ヵ月間以上あるハンガリーの試験期間と違って、こちらの大学では試験期間は大体2週間で、追再試験はその後の2週間で行われます。
ハンガリーでは試験期間に少し余裕がありましたが、日本では試験期間が短いため、暇が全然なくて図書館で勉強ばかりしていました。必死で勉強したおかげで、追再試験を受ける必要はありませんでした。だから、春休みは早く始まって、色々な所へ行くことができました。太平洋、渋谷交差点、ハチ公の像、皇居、新宿御苑、武道館、エルテ大学時代に学んで気になっていた靖国神社、明治神宮、川越小江戸、京都、奈良、大阪などです。こういった、ふつう留学生が体験する勉強や旅行や遊びのほかに、特別な体験もさせていただくことができました。城西大学では、留学生が将来のために様々な経験を積む活動があり、そちらにも参加しているからです。会議やカンファレンスが多く、チェコ、ハンガリー、ポーランド、スロバキア、中国、日本などから来た研究者や
大学教授、外交官などの講義を受けることができます。それによって、世界についてもっとよく知ることができ、貴重な人間関係も築くことができました。大学の教授達とも良い関係ができたおかげで、色々なことについて議論したり、自分の意見をはっきり発言したりできるようになりました。このようなことを通して、留学生として私たちは世界についての見方が広がったため、もっと自信を持てるようになりました。
そして、その自信のおかげで、色々な責任を請け負うことができるようになりました。例えば、文化祭のブースでの仕事、ハンガリーのクリスマス文化紹介、民族衣装を着て歌ったり踊ったりすること、通訳や翻訳、動画撮影、会議にいらっしゃるゲストたちのお迎えと手伝いなどです。今までの6ヵ月間では、責任感や、正確さ、締切の遵守、他の文化や人々、国ごとの働き方の違いなどを受け入れること、などもほかの留学生達とともに徹底的に学びました。会議、美術展の開会式、文学紹介などの正式なイベントがよくあるので、小学生の頃は嫌いだったフォーマルな服装も好きになりました。ちゃんとした大人という感じがするからです。
これを読んでいらっしゃる方々がどんな感想をお持ちになるかはわかりませんが、私たち留学生にとってはこの1年間はただの留学ではなく、インターンシップのような感じです。つまり、これは私たちが大人になるための道です。まだ、勉強しないといけないことは色々あります。体験して、理解しないといけないことも山のようにあります。しかし、今までの経験に基づいて、これからも、日本学科の卒業生として日本文化や日本人の精神を子細に観察して学び、社会にとって役に立つ人間になるために頑張っていきたいと思います。
(サボー・リーヴィア、ELTE日本学科)
Web editorial office in Donau 4 Seasons.