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2013年ゴルフ個人的回想録
竹内 寿志


   ハンガリー・パンノニアG&Cクラブでの2013年ゴルフシーズンは12月1日を最後に終了した。これ以降は本グリーンが使用不可となり、余程の好事家以外はクラブとシューズを磨いて押入れに放り込んで、来年の開幕まで悶々とした3ヶ月を過ごすこととなる。
この1年を振り返ってみると、ここハンガリーで本格的にゴルフに取り組み始めて以来(平たく言えば要は家族が先行帰国して単身赴任となり、思う存分ゴルフができる環境になって)2シーズン目であり、いよいよ充実。ゴルフをやるならまさに「今でしょ」という感じ。一方で1シーズン目はまだ初心者だからと言い訳もできたのだが、2シーズン目ともなると何とかある程度は形にしたいという、やる気とプレッシャーのミックスで始まった。そのやる気が実り(?)シーズン開幕まもない5月に、「じぇじぇじぇ」人生初めてのホールインワンを達成した。
ホールインワンは上手な人でもなかなか出来るものではない、少しの技術と大量の運が生み出す偶然の産物である。一説には33,000回に1回。週1回プレーしても百年に1回と言われている。
  パンノニア3番ホール158メートル。若干のフォローで6番アイアンを振りぬいた会心のショットはグリーンに乗った後、右から左への傾斜と芝目によりボールはカップに寄り、そして見えなくなった。「ボールがピンに重なって見えなくなったのか」と思いながらグリーンに向かって歩いていくもののボールが見えない。まさかと思ってカップの中を見るとそこには白く輝くボールが収まっていた。感動。ありがとう僕をここまで指導し励ましてくれた友人達よ。皆さんにもきっとその日はやってきますよ。
  8月は夏休み返上で仕事、そして暑い中でも当然ながらゴルフは継続。8月18日にはコースレコード86が出た。この日は5番パー5で9を打ちながらも、切れずに8ホールをパーに収めての86。諦めてはいけないことを再認識した。今年は4回80台でプレーできたが、90を切ると本当に只々嬉しい。80台で回った夜は、自己満足の世界に浸り切っている。
  今シーズンの自分の中でのハイライトはやはり日本人ゴルフ部「大吉杯」マッチプレー秋季大会の優勝。初出場の春季大会でいきなり決勝進出まで勝ち残ったが、決勝で渡辺さんに負け、二度とない絶好のチャンスを逃してしまった。ところがどっこい、秋の大会もマッチの試合の時だけは何故か好スコアが続出、毎回ほぼ90そこそこで回り2大会連続の決勝進出となった。決勝の相手はマッチプレーの主催者でもある大吉オーナーの飯尾さん。私としては前回決勝で敗退しているために、今回は個人的には「倍返し」ならぬリベンジ(飯尾さんには何の恨みもありません)。「何とか勝って優勝トロフィーに名前を刻みたい」、の一念であった。ほぼ1アップ1ダウンで勝負は進み、飯尾さんに勝利を持って行かれたかと思われる場面も何度かあったが、諦めず1打1打を大事にプレーした結果、優勝を勝ち取ることができた。しかし、まだ今シーズンのラックは終っていなかった。
  日本人ゴルフ部月例会の最終回11月3日。ここでグロス88、ネット71という望外のスコアで優勝、さすが持っている男(笑)。今年は本当に月例会やマッチの試合の日は必ず好スコアを出すことができた。さてシーズンオフの3ヶ月間であるが、我々マニアにはやらねばならないことがある。まずは今シーズンを冷静に振り返ること。ゴルフ仲間にもおだてられ、今年は結構80台も出たし、悪くても100は打たないようになったな、などと思っていたが、今シーズンの平均スコアを出してみたら98.2でやっと100を切る状況であった。
 私は常々悪いことはすぐ忘れ、良い思い出だけに浸る傾向があり、ゴルフの記憶もまさにこれと同じ。来シーズンのための道具選びも重要。夜な夜なインターネットを見ながら仕事以上の集中力でクラブ選びに悩みに悩んでいる。他にも最終月例会優勝者に回ってくるゴルフ部の年間幹事の役割もある。来年はゴルフ部に所属して3年目。ハンガリー生活も7年目に入り、皆さんにお世話になってばかりの自分から、「お・も・て・な・し」の精神で少しは部員の皆さんのお役にも立てるようになりたい。
  長々と書いてきたが、今シーズンはホールインワンに始まり、月例会での優勝、「大吉杯」マッチプレーは春の準優勝、秋は優勝と素晴らしいシーズンであった(自慢ばかりですみません)。なぜ今年良かったのかその秘訣を書こうと思ったが、振り返ってみても特筆すべきものはない。唯一言えることは、悪くても最後まで諦めずにプレーしたことであろうか。私の場合スタートホールからダボが続くことがあるが、そこで諦めず、ひょっとしたらミラクルショットがあるかも、と淡い期待を胸に抱きながら最後まで集中してプレーするようにしている。そうすると運も向いてくる(様な気がする)。ただそれだけである。このような素晴らしいシーズンは誰にでも訪れるチャンスがあることだけは確実だから、来年こそはと意気込んでいる皆さんの健闘を祈る(私も懲りずに頑張ります)。最後にお付き合いくださったゴルフ部の友人の皆さんに感謝するとともに、新たにハンガリーに来られた皆さん、入ってみればさほど敷居は高くない日本人ゴルフ部です。是非入部をご検討ください。
(たけうち・ひさし マジャールスズキ)
 
 

Web editorial office in Donau 4 Seasons.