民族の垣根を越える
この世界的な不況の中、会社組織は私を含め日本人スタッフを3名
に減じ、他は日本へ全員帰任とし、会社・工場の運営主体はハンガリー社員である事を明確にしました。会社が生き延びていくためには、可能な限りの現地化が
不可欠だと判断しました。ハンガリー人従業員には「,
ここはハンガリーの国だ。工場の主体はハンガリー人であるべきだ」と粘り強く訴え続けました。その思いが伝わったのでしょうか、何時しかハンガリー人社員
には私の想定以上の技術的能力と管理能力が備わり、コミュニケーション・意思統一の面は強化され、現在は多数の日本人スタッフが在籍していた時以上のレベ
ルになっています。もともと能力のある国民ですから、きちんと教えればそれを自分の物にする力をもっているのです。
私の隣で仕事をしているレーカさん、工場管理をしているガボさん、技術のドディさん、品管のゾリさん、営業のコバチさんたちを、ここ3年ほど彼らをハンガ
リー人と意識して仕事した事ありません。そういう名前が付いている人間と一緒に働いているだけです。もう民族の垣根はありません。彼達も私を日本人として
みていないようです(私のことを「オオカミ」とか言っているようですが)。
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