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日本人学校補習校その他日本語教 育
 
     
 
 
遠足日和
根岸 和奏


 5月20日土曜日、みどりの丘日本語補習校恒例の遠足が行われました。雨の不安もあった中、絶好の遠足日和となりました。
今回の行き先はセンテンドレのpap-szigetキャンピング場でした。みんなで1台のバスに乗り、おしゃべりしながら楽しく向かいました。しりとりやクイズ、夏休みの予定など、初めての他学年とも仲良くお話出来ていてほっこりしました。

 
 
 キャンピング場について軽く休憩をした後、班活動としてオリエンテーリングを行いました。クロスワードを解きながら、指定された道順でキャンプ場を歩いてゴールを目指しました。正しい道順、隠し時間、クロスワード、そして問題にそれぞれポイントが割り当てられていました。問題は事前に先生方から集めたもので、「レ点の読み方は?」から「はなのみちのお話でくまさんがおうちの中で見つけたものは?」まで、各学年の学習内容を基に出題しました。そうすることで、低学年の子も解答に参加することが出来ました。答えの分かった中学生や高学年の子達が、ヒントを出して分からない子を助けてあげていたのが特に印象に残っています。どの班もしっかり答えられていて、講師としてとても嬉しく思いました。また、手を繋いで歩いていたのもとても微笑ましかったです。
オリエンテーリングの後は、そのまま芝生の広場で綱引き大会を実施しました。2カ所にわかれての班対抗戦はとても白熱したものになりました。かけ声をそろえる班、一生懸命に引っ張る班。そして、兄弟や友達を応援する子供達。「負けたくない」という強い気持ちが伝わってきました。見ている私たちも熱くなり、参加したくなるほどでした。次の試合のために縄を直す手伝いも進んでしてくれ、子供達の成長を感じることが出来ました。
そしてみんなお待ちかねのお昼休憩。班ごとにレジャーシートをくっつけ、お弁当を広げました。どのお弁当もとても美味しそうで、お母さんお父さんの愛情が感じられました。「これが好きなんだ」、「お母さん得意なんだよ」とお弁当の中身を嬉しそうに紹介してくれました。おかずやおやつを交換する姿も見受けられ、なんだか学生時代が懐かしく感じられた瞬間でした。午前中の活動で打ち解けられたのか、笑いの絶えないお昼休憩となっていました。
 午後はペットボトルの円筒飛行機(ロケット)作りをしました。ペットボトルを2カ所輪切りにし、2本のストローでくっつけ、重りにテープを貼るというシンプルなものです。はさみを使うときは高学年の子達がしっかり見てあげていました。切るときに押さえてあげたり、ストローを持ってあげたりとお互いに協力して工作に取り組むことが出来ました。完成したロケットはさっそく外で飛ばしてみました。班で一番飛ぶ人を選んでもらい、競争もしました。班選抜は男女も学年もバラバラで、例えば私の班は2回とも1年生が出場しました。みんなが活躍できる良い活動だったと思います。
 帰りの会では、1日を通しての印象をもとに、各班の先生方から1人1人に賞状が贈られました。また、班をまとめてくれたリーダーさんにもそれぞれ賞状が贈られました。前に並んだ子供達の顔はとてもキラキラしていました。
 「お家に帰るまでが遠足」とよく言いますが、無事子供達を見送ったところで、私たち講師の役目は終わりました。その逆も然り、当日に至るまでの準備も含めて「遠足」なのだと、準備に関わって強く感じました。
今回も、遠足係の先生を中心に前年度末から準備が進められていました。特に場所決めの際は、メールがなかなか返ってこなかったりギリギリに断られたりとハプニングの連続でした。当日も、バスが遅れてしまったために午前中の活動が駆け足になってしまいました。やはりここはハンガリー、日本のようには行かないのだなあと、しみじみしてしまったほどです。様々なことを乗り越え、子育てをなさったり、講師を続けてこられている皆さんは本当に凄いと思います。
 また、中2、3のリーダーさん、中1、小6のサブリーダーさんも準備から当日までとてもよく頑張ってくれました。貴重な20分休みを使ってのリーダー研修では熱心に話を聞き、良い質問も出ました。遠足前の集まりでは遠足について分かりやすく説明してくれました。班の顔合わせでも、班名決めなどしっかり意見をまとめていました。先輩後輩のような縦のつながりを垣間見ることが出来たように思います。
遠足係補佐として準備から関わった今回の遠足は、至らない点も多く、反省点はもちろん沢山あります。しかし、原稿を書くに当たって写真を見直したところ、楽しそうな子供達の姿を思い出しました。「日本語で仲良く楽しく活動する」という遠足の目標は達成できていたので、良い遠足になったと信じています。保護者の皆様、講師の皆様、そして主役である子供達、みんなのおかげで素晴らしい「遠足日和」となりました。この場を借りて、心からのお礼を。ありがとうございました!
 
(ねぎし・わかな)
 
 

Web editorial office in Donau 4 Seasons.