そして9月、ハンガリーの小学校への入学。今までは幼稚園から帰ってきたら、毎日数十分でも日本語の勉強を
することができたのに、週に2〜3回時間がとれるかどうかになりました。特にまだ学校に慣れないうちは、夕方帰ってきたらとても疲れていて、日本語も勉強
しよう、という状態ではありませんでした。疲れていても日本語の宿題をしなくてはいけない娘をかわいそうに思ったり、宿題をイヤイヤやっているのを見てい
るのが親として嫌になったり、両立は難しいのかな、と思った時期もありました。でも、宿題をするのは好きじゃないけれど、先生が大好きだし、友達と会うの
も楽しみだから通いたい、という娘と、大変でも補習校へ通って勉強することはとても大切、というハンガリー人の夫と一緒に乗り越えました。
そして先月行われた学習発表会。毎年一度、一年間の成果を発表する会です。一年生は「さるかに合戦」の劇を
しました。人前で演技をすることも初めての上、いろいろなセリフを覚えて言えるのだろうか、と不安でしたが、限られた練習時間にもかかわらず、とてもかわ
いらしい素敵な劇を披露してくれました。他の学年のお兄さんお姉さんの発表をみたこと、みんなで一緒に日本語の歌をうたったことも、とてもよい経験になっ
たと思います。親としても、ハンガリーの学校行事しかしらない娘が、自分が小学生だったころの学芸会のような雰囲気の会に参加しているのをほほえましく、
うれしく見させてもらいました。日本語のわからない義理の両親、夫にも、子供たちの一生懸命さや先生方の熱心さ、観客の方々の温かいまなざしが印象に残っ
たようでした。
こうやって振り返ってみると、あっという間の一年でしたが、楽しいことも大変なことも、いろいろあった
なぁ、と思います。娘にとって、月曜日から金曜日までのハンガリー語での勉強プラス土曜日の補習校は、疲れることも多々あったとおもいます。ほかの子供た
ちは、「明日から2日間は何もしなくていい〜!」と喜んでいるのに、娘は土曜日も朝はやおきして補習校。家族も、土曜日は補習校だから何も予定をいれられ
ません。片道車で30分の送り迎えもあります。それでも一年間続けてこられたのは、グル−プで勉強する楽しさ、熱心で温かい先生の力があってのことだと思
います。そして何より娘や同級生の成長に驚かされます。ほんの一年前は、日本語でなにも書けなかったのに、今ではひらがな、カタカナ、漢字も7〜80字書
くことができます。補習校へ通わず、娘と一対一での勉強では、とても無理だったと思います。自分と同じ環境の子供たちがいること、ハンガリー語と日本語だ
けでなく、他の言葉を話す子供もいること、そのような同級生と一緒に勉強し、ふれあうことで、娘の視野もこれからもっともっと広がることでしょう。これか
らも、ハンガリーの学校との両立が大変になることもあるかと思いますが、大好きな先生と友達と一緒に楽しく通ってほしいと願っています。
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