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リーダーとしての経験を通して
木村 優菜
私は今年、前期児童会長、夏期合宿副実行委員長、ハンガリーダンス副リーダーなど人の上に立つことが多かったと思う。もちろん辛いこと大変なこともたくさん経験した。だからこそ、今まで分からなかったリーダーの気持ちが分かったり、苦手だったことが出来るようになったりした。
前期児童会長になるために、大きな一歩を踏み出す必要があった。私に大役が務まるのか、最初はすごく不安だった。なぜなら、私は積極的に意見を述べたり、人前で話したりすることに苦手意識をもっていたからだ。
5年生の時、学級委員を経験したが、皆を思うように上手くまとめることができなかった。だから、今回こそは、という思いで、私は児童会長に立候補したのだった。
児童会長になってからの一番の大仕事、夏期合宿に向けての取り組みが始まった。リーダーとして最高学年としての初めて経験することがたくさんあり、戸惑うことが多かった。例えば、夏期合宿保護者説明会。そこで私は、初めて大人の人に話をすることになった。今までに感じたことのない緊張感をもって取り組んだ。家では家族に、学校では、クラスメイトや多くの先生方に聞いてもらいアドバイスをもらった。そのおかげで説明会当日は落
ち着いて保護者の方々に話をすることができた。人前で話すことは難しいという苦手意識を克服できた瞬間だった。
もう一つ心に残る大きな仕事は、ハンガリーダンスのリーダーだった。6年生にとって最後のハンガリーダンスだから絶対に成功させたい、とはりきっていた。しかし、頑張っても気持ちは空回りするばかり。自分がやりたいと立候補したにも関わらず、何度も心が折れそうになった。そんな中でもここまでやってこられたのは、「仲間」の存在があったからだと思う。どんな場面でも一生懸命に取り組んでいる人がいた。私の話を頷きながら聞いてくれる人がいた。意見を求めたときに、意見を出してくれる人がいた。私達リーダーをしっかりと支え、輝かせてくれる人がいた。練習風景や本番の様子を思い出す時、必ずそういう「仲間」が頑張っている姿が心に浮かぶ。それだけ、私にとって仲間の存在は大きく、刺激を受けた。そして、リーダーとしてやりきれた時の達成感、充実感の大きさを初めて実感した。今まで分からなかった「リーダー」の気持ちが分かった瞬間だった。
振り返ると、ハンガリーダンスのリーダーを務めることができたのは、前期児童会長を務めたからだと思う。何かをするたびにアドバイスをくれたり手伝ってくれたりしたクラスメイト、いつも私を支えてくれた5年生を含む下級生、何をするにも私のいいお手本だった中学生、それから私に自信を与えてくれた先生方がいたからだと思う。この経験が私を見違えるほど大きく成長させてくれた。この貴重な経験を「ただの思い出」として心に残しておくのではなく、自分自身の「自信」に変え、残りわずかな小学校生活、新しくスタートする中学校生活に生かしていきたい。
(きむら・ゆうな)
Web editorial office in Donau 4 Seasons.