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医師を目指して
坂本 たけし (ペーチ大学医学部)

 
 僕は子供の時から海外の難民キャンプで働く医者の姿に強くあこがれていて、大人になったらそうありたいと思っていました。でも中学、高校と進み、厳しい大学受験のなかそんなことは忘れていました。そんなとき、ハンガリーで医学を英語で学べることを知りました。学費もアメリカやイギリスといった英語圏の大学よりも格段に安く、卒業後EUでの医師免許がもらえることが魅力的でした。「自分のしたかったことはこれだ!」そう思い、去年の6月にハンガリーにやって来ました。
 でも実際は、海外に行ったこともなかったし、なによりも英語が不安でした。外人はともかく、同じような思いできている日本人は高校が海外だったとか、子供の時に海外にいたとか、とにかく英語ができました。
 
そんななか一年目はブダペストで大学に必要な知識を学びました。予想通りはじめは授業中の先生のいいまわしや専門的な単語、そしてハンガリー語など分からないことばかりで、このままじゃ大学どころじゃないと落ち込む日々でした。でもここまできたからには逃げちゃだめだと思い、授業中分かららないことはすぐに先生に聞くようにしたり、友達に相談したりして必死についていきました。そうしているうちに外人の友達も出来るようになり生活にも徐々に余裕ができて、コンサートやオペラに行ってみたり時にはバラトン湖や隣国に出かけたりしました。そしてこのころにはあらためて素晴らしい場所で勉強しているんだなぁと感じるようになりました。くさり橋やドナウ川をはさんで見える王宮の夜景、中世のヨーロッパを思わせる建物、どれをとってもここ来てよかったなぁとそう思わせてくれました。
 一年間のカレッジでの勉強はあっという間に過ぎ、今年の夏ペーチ大学医学部に進学が決まりました。ペーチ大学はハンガリーでもっとも歴史の古い大学で、ここは大学町といった感じの田舎町です。もともと出身は山梨の田舎なのでブダペストよりも勉強しやすいかなぁと思い決めました。引っ越し先の大家さんは優しくて車で町をまわってくれたり、お菓子をつくって来てくれます。まだ道が分からないことがおおいですが、そんなときは道端でおじちゃんやおばあちゃんがたとえ言葉が通じなくても助けてくれます。ハンガリーの人達は私達のような外国人に対してもいつも優しく接してくれます。
 
 そしていよいよ大学生活が始まったのですが、はじめの一週目まったく教室が分かりませんでした。実はこの大学は英語の他にハンガリー語、ドイツ語で医学を学ぶ生徒がいるのです。毎日クラスメートと校内を必死で冒険しました。そんなこんなでスタートしましたが、ここまでこられたのは多くの人の支えがあってこそだと思います。それを心に刻みながら、今は6年間という長い階段をどんなにつらくとも楽しみながら一歩ずつ進んでいきたいと思います。
 
 
 

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