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ハンガリーアカデミー
藪 香苗

 
<ハンガリー・ブダペストに来た動機>
  高校の友人にハンガリーで幼少期を過ごした友達が居て、ハンガリーの話を聞いているうちに一度はいってみたい国となりました。
  高校卒業後から2年間 スイス・ジュネーブに留学していました。ジュネーブの学校は Juenes ballet としても活動していて、1年間に舞台数はすごくおおく、大変貴重な経験ができたのですが、学校卒業資格などは一切ありませんでした。そして、ハンガリーバレエ学校に学士コースがあることを知り、まず、8月に2週間のサマーコースを受け、学校の雰囲気を知り、サマーコース中に行われている最終編入オーディションを受けました。
 
<ダンストレーニング>
  ダンストレーニングは朝の8時に2時間のクラシックバレエの授業で始まり、その後の時間〜12:30までは曜日によって違った科目です。例えば、10:00〜11:00がバレエ作品レパートリー授業、11:00〜12:30がモダンダンス授業、10:30〜11:00はポワント授業、11:00〜12:30はPas de deux授業。これは私の1年目=つまり8年生の時間割です。最終学年の9年生になると、1学期は2月半ばに行われる卒業判定テスト合格に向けて、先生の個人的判断にもとづき時間割がくまれます。
  2学期は、1時間30分のクラシックバレエの授業、そして卒業公演のリハーサルです。冬のくるみ割り人形の2週間公演や卒業公演2〜3ヶ月前になってくると、18:00〜20:00までのリハーサルも追加されます。ハンガリーバレエ学校のカリキュラムには社交ダンスの授業もあります。一年を通してやるのは難しいらしく、たいていは9月最初の2週間インテンシブクラスとなっています。週に2回英語が堪能な先生のもと、インターナショナル生用レパートリークラスが13:00〜14:00に行われています。
 
<学科授業>
  ハンガリーバレエアカデミーは3年間の学士号コース(bachelor course)をとることが可能です。このコースは毎年あるわけでもなく、人数が3人以上集まったときに設置されます。私の1年目も3人の生徒でスタートしました。バレエコースと学科コースは基本的に別のものと考えていて、バレエコースで違う学年の子(もしくはモダンコースの子)とも学科コースでは同じ1年生なのです。基本的には1年目・2年目ですべての単位をとり終え3年目は卒業エッセイに集中します。ただ、やはりハンガリー人の柔軟性が反映されているのか・・。私はバレエコース8年生に編入し、卒業までに2年間しかなかったので、3年間のコースを2年間に短縮することを許可されています。2008年度から学士号コースに入った子が4人居たのですが、9月から1月の1学期の間で、1年分の授業をこなし単位を取得し、2年目の私たち3人は2008年度1学期中半分の学科がお休みになり、2008年度2学期新しい4人の子と一緒に2年目の授業をしています。そして、2009年7月に卒業予定です。
  授業はもちろん英語です。先生も含めて、全員の英語レベルはそれぞれです。母国語の子もいれば、母国語のように流暢にしゃべる子もいて、私のように学校で習った程度のレベルの人も居ます。英語が母国語の人たちによる助けの元、授業が円満に進んでいるといっていいと思います。
  私がこのコースにいて、一番大変だったことといえばもちろん言語です。やはり、日常会話ではあまり出てこない、硬い表現の単語が多々出てきたり、専門用語が出てきたり。そのうえ、ディスカッションをするクラスでは相手に納得してもらわなくてはいけない話し方をしなくてはいけないし。最初の一年目は本当につらか
ったです。とにかく、友達と話したり、映画見たり、本を読んだり。
  それでも1年目は何も手ごたえを感じることはできなかったですね。2年目先生から「最近は英語を聞くこと、しゃべることに自然に成ってきているように見えるわ。香苗が英語の会話をここまで楽しむなんて1年目は想像できなかった。これからもがんばってね。」といわれたとき、努力が実り始めたんだなぁ・・と感動してしまいました。まだまだ頑張らなくてはいけないのですがね。
  授業は解剖学、音楽史・美術史・舞踊史・文化史(History of the culture)・映画史・Dance in home country(自分のダンス事情についての発表とディスカッション)。解剖学はオペラ座専任ドクターの下で、ダンサーの解剖学を学びました。ヨーロッパの歴史がベースとなっている音楽史・美術史は一番しんどいですね。時代背景を細かなところまで把握しなくて、授業についていけなかったりします。そして、先生によっては私が質問すると「あなたはヨーロッパ史を何も知らないのね。アジア人の怠慢ね。」と言われることも珍しくありません。それだけ、ハンガリーの先生は自分の教科について誇りを持っているのだと思います。日本は授業カリキュラムに沿って授業を進めますが、こちらの先生は熱中しすぎて授業カリキュラムからそれてしまうことがたたあります。すごく興味深いです。
 
<今後>
  最終的な目標は、自分の今までの経験を新しい世代の子に伝えることです。漠然とだけれども、いつかは日本でバレエを教えられたらいいな!と思っています。しかし、そのためにも、まずこの学校を卒業して、実際にダンサーとして働き、いろいろなことを吸収したいです。 そしてバレエ教師としてちゃんと知識をつけ、資格を得て日本に帰りたいと思っています。まだまだ先は長いのですが、目標を見失わず最後まで遣り通して行きたいと思っています。
 
 
 
 
 

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