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日本人学校補習校その他日本語教 育
 
     
 
 
 
運動会で得たこと
中学部3年 山岸 春陽

 

 今回の運動会は、雨でした。日本人学校になってから十周年で初めての雨でした。体育館で行う運動会はとても不思議な感覚がしました。徒競走など、できない競技がでてきて悲しそうな顔をしている小学生、中学生が何人かいました。せっかくの運動会なのにと、私も少し残念な気持ちになりました。しかし、競技がすすむにつれて、みんなの表情が明るくなっていくのを感じました。とても楽しそうで運動会の練習をしたかいがあったなと思いました。今年の運動会は昨年の運動会より一週間ほど早かったため毎日、組体操や全体練習(学校全体で行う練習、入退場の並び方や綱引きなどの練習)、応援合戦の練習をしました。

 全体練習は先生方が授業をすすめてくださいました。全体練習では、中学生は小学生が整列する時に手助けをしました。並ばせていくうちに、小学生のみんなは自分達で素早く並ぶことができるようになりました。中学生の仕事が少なくなって、私たち中学生が小学生の成長に役立って良かったなと思いました。組体操は高学年(5年生以上)だったので、自分の演技をより良くすることに集中することができました。しかし、応援合戦は全体練習や組体操のようにはいきません。一学期の終わり頃から、私たち中学生が低学年もできるような振り付け、覚えやすい動きを考えました。そこから、みんなにわかりやすい説明を考えたり、実際に教えたりしました。低学年は、褒めることによってやる気を出してくれるので、どういうふうに褒めればやる気を出してくれるのかも考えました。私は、わかりやすく教えることや褒めることがとても苦手なので、とても苦労しました。

 はじめのうちは、小学生のみんなも、中学生のみんなも、なかなか言うことをきいてくれませんでした。小学生には、怒らずに耐えることができましたが、中学生のみんながやることをやってこなかった時があったので、その時に何回か怒りました。叱ることに慣れてないなかで、怒らなければならなかったのでとても疲れました。親が私を叱るときの苦労がわかった気がします。朝から怒ると怒る人も怒られる人も一日が始まるときから嫌な気分になります。私も実際そうでした。朝から叱ることを考えるだけでため息がでました。中学生には怒ってばかりでした。褒めることもしてあげればよかったと今では思います。運動会で得た、リーダーとしてみんなをまとめる力や反省したことをこれからは活かしていきたいです。                       

  (やまぎし・はるひ)
 
団長として
中学部3年 野村 直希

 
 私は今回白組の応援団長をさせていただきました。人前に立ち、リーダーとしてみんなを引っ張っていくのは初めてでした。日本人学校の運動会をまだ、経験した事がなかったので同じ組の人や先生に教えてもらい何とか応援の内容を理解することができました。応援の振り付けや言葉はみんなと悩み、昨年の応援を参考にしたりして何とか決めることが出来ました。しかし、団長の仕事はそれだけではありません。他にも選手宣誓のセリフを覚えたり、低学年を引っ張ったり、チームのために仕事をたくさんしました。やはり、一番の仕事は応援合戦でした。応援の練習をすると恥ずかしがって声をあまり出してくれず先生から、「もっと大きな声が出る」と言われました。さらに練習後の反省会の時にも注意すべきところがたくさんあって大変でしたが、声をかけるとみんな気持ちを切り替えてくれて精一杯、応援の練習をしてくれました。みんながしっかりと覚えてくれたので私は余裕を持って運動会に挑めました。しかし、運動会はそれだけではありません。他にも、綱引き、玉入れ、リレー、組体操、運命のカラーボール、まだまだたくさんあります。これらの競技も練習しました。綱引きの掛け声は何にするのか、バトンをどうやって渡すのか、沢山勝つためにみんなで覚えました。

 そして、運動会当日、あいにくの雨でした。そのため、体育館で運動会が行われました。練習した成果がでていたのか、一人一人が素早く動いていたので、スムーズに進んでいきました。しかし、問題は競技の勝敗です。白組は、綱引き、玉入れ、大玉送り、運命のカラーボールで負けました。そのとき雨もやみ地面も乾いて来たので、予定では中止だったリレーが出来るようになりました。だから私たちはリレーだけは勝とうと、一生懸命走りました。一組は四位でしたが、もう一方の白チームは補習校に続いて二位だったので良かったです。結果は準優勝でしたが悔いのない運動会となりました。

 私は今回の運動会で色々なことを学びました。皆をまとめる難しさ、一から考えて作ることの大切さ、協力することの大切さを学びました。これからリーダーとして行動することがたくさんあると思います。団長になって学んだことをバネにしてこれからも頑張っていきたいです。まだまだ足りない部分があると思うので、たくさんの経験を通してして足りないところを埋めていけたらいいなと思います。皆に協力してもらいながら一生懸命、仕事をして皆に認められるようなリーダーになりたいです。

(のむら・なおき)
 
 

Web editorial office in Donau 4 Seasons.